審決取消訴訟判決(特許) 令和5年(行ケ)第10104号
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原文は裁判所ウェブサイトで公開されていないかもしれません。 訴訟番号「R5-10104」を使って J-Platpatで検索すれば原文があるかもしれません。
要約
発明の名称
非常に低い抵抗材料を用いたジョセフソン接合
発明の簡単な説明
ELR材料を用いたジョセフソン接合またはそれを含む回路で、超伝導状態を実現し、コスト問題を解決することを目的とする。
主文
原告の請求は理由がないと判断され、特許に関する争いにおいて原告の要求は却下された。
経緯
原告は特許出願を行ったが、特許庁から拒絶査定を受け、不服審判を請求。特許庁は実施可能要件を満たしていないと判断し、原告はその取消しを求めて訴訟を提起した。
争点
本願発明が実施可能要件を満たしているかどうか、特に導体が超伝導状態であることやジョセフソン効果の発現に関する証拠の有無が争点となった。
原告の主張
原告は、ELR材料が非常に低い抵抗率を持ち、ジョセフソン接合の目的を達成できると主張。特に、当業者が抵抗と抵抗率の関係を理解しているため、発明は実施可能であると主張した。また、サンプルの一部が超伝導状態に遷移することを示す実証があると述べた。
被告の主張
被告は、原告の主張に対し、150K以上での超伝導状態が明示されていないことや、超伝導遷移の証拠が不足していると反論。特に、ジョセフソン効果が超伝導体でないELR材料間で発生しないことを指摘した。
当裁判所の判断
裁判所は、原告が提出した証拠が不十分であり、特に超伝導状態に遷移した部分を分離する具体的な方法が示されていないことを指摘。原告の主張は根拠がないとされ、実施可能要件を満たしていないと結論づけた。ジョセフソン接合の効果についても、超伝導状態でない導体間での効果は技術常識に反すると判断された。
結論
裁判所は原告の請求を却下し、特許法に基づく実施可能要件を満たしていないと判断した。