審決取消訴訟判決(特許) 令和5年(行ケ)第10091号
以下の要約は参考情報としてAIが作成したものです。 誤りを含む可能性がありますので、詳細は原文をご参照ください。
原文は裁判所ウェブサイトで公開されていないかもしれません。 訴訟番号「R5-10091」を使って J-Platpatで検索すれば原文があるかもしれません。
要約
発明の名称
バリア性積層体
発明の簡単な説明
ポリプロピレン樹脂層を含む多層基材と蒸着膜、バリアコート層からなる構成で、特にガスバリア性に優れた特性を持つ包装容器を提供する。
主文
特許庁の特許取消決定を取り消す。
経緯
原告は「バリア性積層体」に関する特許を取得後、特許異議が申し立てられ、特許庁はその訂正を認めた上で特許を取り消す決定を下した。原告はこの決定の取消しを求めて訴訟を提起した。
争点
特許の進歩性、特に甲3発明との相違点の認定や、当業者が容易に発明できたかどうかが争点となった。
原告の主張
原告は、甲3発明に基づく進歩性判断に誤りがあると主張し、特に相違点の認定が不当であると指摘。具体的には、甲3発明が抽象的であり、本件発明との相違点を過小評価しているとし、特に「食品等の包装材料として使用可能なバリア性フィルム」という認定が不当であると述べた。また、相違点の認定においても、甲3発明には食品特有の用途に関する記載がなく、進歩性の判断に影響を及ぼすと主張した。
被告の主張
被告は、特許に関する相違点について当業者が「延伸処理が施されたポリプロピレン樹脂層」を選択することに困難性がないと主張。周知技術の根拠が甲2のみであることを問題視する原告の主張に対し、周知技術の認定に誤りはないと反論し、同一材料の使用によるリサイクル性の向上は自明であると主張した。
当裁判所の判断
裁判所は、甲3発明に基づく相違点の認定に誤りはないと判断し、相違点の容易想到性についても、関連性を考慮して検討する必要があるとされた。特に、相違点1-2と1-3は一体として検討すべきであり、甲4の技術が本件発明に適用されることはないと結論付けた。また、甲3の発明に甲4の記載を参考にすることが容易であると判断し、原告の主張に対して本件発明の進歩性についても容易に想到できると結論付けた。
結論
本件決定は取り消され、特許が有効であると認められる。