審決取消訴訟判決（特許）令和５年（行ケ）第１００８９号「電動式衝撃締め付け工具」

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要約

電動式衝撃締め付け工具

油圧パルスを利用してトルクを発生させる電動式の工具で、衝撃発生部の構成が特徴的である。

特許の訂正請求を認め、特許無効審判請求を不成立とした審決の取消訴訟において、原告の主張を一部認めつつも、進歩性の欠如については認める結果となった。

原告は特許無効審判を請求し、特許庁は訂正を認め無効審判請求を不成立とした。原告はこの審決の取消しを求めて訴訟を提起した。

訂正要件の適合性、進歩性、記載要件に関する認定判断の誤りが争点となった。

原告は、特許請求の範囲における「衝撃発生部」の定義が明細書に記載された内容に適合しないと主張し、特に訂正が特許法の要件に適合しないと指摘した。また、進歩性についても、訂正発明と先行技術の相違点を挙げ、容易に想到できると主張した。

被告は、明細書が広範な内容を含むと反論し、相違点の認定が不適切であると主張した。特に、原告の主張は複数のステップを必要とするため容易ではないとし、進歩性が認められるべきであると主張した。

裁判所は、訂正発明が特許法の要件に適合すると判断し、明細書に記載された油圧パルス発生部が衝撃発生部に相当することを認めた。また、進歩性についても、甲文献との比較を行い、相違点が独立して認識されることを確認した。特に、甲１文献と甲２文献の技術的課題が異なるため、組み合わせる動機付けがないと認定した。

原告の主張を一部認めつつも、進歩性の欠如については認める結果となり、特許の訂正が適法であるとの判断が下された。