審決取消訴訟判決(特許) 令和5年(行ケ)第10084号

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原文リンク

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要約

発明の名称

電動式衝撃締め付け工具

発明の簡単な説明

電動モータの出力を作動油を用いてトルクを発生させる油圧パルス発生部に伝達し、衝撃力でメインシャフトにトルクを生じさせる構造を持つ。

主文

特許の訂正請求を認め、特許無効審判請求を不成立とした特許庁の審決に対する取消訴訟。

経緯

原告は特許無効審判を請求し、特許庁は訂正を認め無効審判請求を不成立とした。原告はこの審決の取消しを求めて訴訟を提起した。

争点

訂正要件の適合性、進歩性、記載要件(サポート要件、明確性要件)の認定判断の誤り。

原告の主張

原告は、訂正が特許法の要件に適合しないと主張し、特に明細書に特定の「油圧パルス発生装置」しか記載されていない点を挙げた。また、進歩性については、訂正発明と先行技術の相違点を指摘し、アウターロータ型モータの使用が当業者にとって容易であると主張した。

被告の主張

被告は、明細書が広範な内容を含むと反論し、相違点の認定が不適切であると主張した。特に、相違点が複数のステップを必要とするため容易ではないとし、進歩性があると主張した。

当裁判所の判断

裁判所は、訂正が特許法の要件に適合し、明確性を向上させるものであると認定した。また、進歩性については、甲1文献と甲2文献の相違点を考慮し、当業者が容易に想到できないと判断した。特に、モータの形式が異なるため、組み合わせる動機付けがないとされた。

結論

原告の主張の一部を認めつつも、進歩性の欠如については認め、特許の訂正を認めた審決に誤りはないと判断した。