審決取消訴訟判決（特許）令和５年（行ケ）第１００５９号「患者保有分項目を設けた処方箋と投与日数算定方式」

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要約

患者保有分項目を設けた処方箋と投与日数算定方式

医師が処方箋を作成する際に、患者が保有する医薬品を考慮し、投与日数を適切に算定する方法。

原告の特許出願に対する特許庁の拒絶査定を取り消す請求は棄却される。

原告は特許庁に対し、特許出願を行ったが、拒絶査定を受けた。拒絶理由は、発明が人為的な取決めに該当し、特許法の要件を満たさないこと、及び既存文献に基づいて容易に発明できるものであるとされた。原告は不服審判を請求したが、特許庁は審判請求を棄却する審決を下した。原告はこの審決の取り消しを求めている。

特許出願された発明が特許法における「発明」に該当するか、進歩性があるかどうかが争点となっている。

原告は、処方箋の背景技術や解決すべき課題を示し、医師が受診予約日を選定する際の実態を説明。重複処方を0日にする新たな方法が画期的であると主張し、投与日数と服用日数の関係が自然法則に基づくものであると述べた。また、特許の取得が可能であると主張し、審決の判断に誤りがあると訴えた。

被告は、原告の発明が「人為的な取決め」であり、自然法則を利用した技術的思想には該当しないと反論。特に、処方箋の投与日数が法令に基づくものであるため、自然法則を利用していないと主張した。原告の進歩性や新規性に関する主張も審決に影響を与えないとした。

裁判所は、本願発明が自然法則を利用した技術的思想に該当しないとの特許庁の判断が適切であるとし、原告の主張には理由がないと結論付けた。特に、投与日数の算定方法が医師の判断に基づく人為的なものであり、自然法則に依存していないと判断した。

原告の特許出願に対する特許庁の拒絶査定は適法であり、原告の請求は棄却される。