審決取消訴訟判決(特許) 令和4年(行ケ)第10130号

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原文は裁判所ウェブサイトで公開されていないかもしれません。 訴訟番号「R4-10130」を使って J-Platpatで検索すれば原文があるかもしれません。


要約

発明の名称

セレコキシブ組成物

発明の簡単な説明

微粒子セレコキシブを含む製薬組成物で、特に粒子サイズや生物学的利用能に関する請求項が含まれる。

主文

本件特許は無効とされ、特許請求の範囲の訂正がサポート要件に適合しないと判断された。

経緯

被告は1999年に特許出願し、2004年に特許が設定登録された。2016年、原告が無効審判を請求したが、特許庁は不成立とした。原告は知的財産高等裁判所に訴え、2019年に審決が取り消された。被告の上告は2020年に棄却され、再審理後、2022年に再び請求不成立の審決が下された。原告はこの審決の取消しを求めたが、請求は棄却された。

争点

特許請求の範囲の訂正がサポート要件に適合するか、明確性や実施可能性があるか、進歩性が認められるかが争点となった。

原告の主張

原告は、特許明細書に粒子サイズD90が生物学的利用能に与える影響や粒度分布の記載が不足していると主張し、特定の製剤形態についても生物学的利用能の向上が不明であると指摘した。また、訂正が新規事項の追加に該当し、特許請求の範囲の減縮を目的としないと主張した。

被告の主張

被告は、特許請求項における粒子サイズの範囲が生物学的利用能の改善を示すものであり、サポート要件違反はないと反論した。特許明細書には、セレコキシブの結晶形態の問題点や粉砕による粒子サイズの改善が記載されており、加湿剤の添加による生物学的利用能の向上も示されていると主張した。

当裁判所の判断

裁判所は、特許請求の範囲の訂正が法的要件を満たしていると認め、原告の無効理由は理由がないと判断した。特に、訂正発明は明確であり、実施可能性も十分に記載されているとされた。また、粒子サイズのD90の数値範囲の訂正が技術常識に反しないことを確認し、サポート要件に適合しないとの結論に至った。

結論

本件特許は無効とされ、特許請求の範囲の訂正がサポート要件に適合しないと判断された。