審決取消訴訟判決(特許) 令和4年(行ケ)第10128号
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要約
発明の名称
セレコキシブ組成物
発明の簡単な説明
微粒子セレコキシブを含む製薬組成物で、特に粒子サイズや生物学的利用能に関する請求項が含まれる。
主文
本件特許は無効とされ、特許請求の範囲の訂正が認められない。
経緯
被告は1999年に特許出願し、2004年に特許が設定登録された。2016年、原告が無効審判を請求したが、特許庁は請求を不成立とする第1次審決を下した。原告はこの決定を不服として知的財産高等裁判所に訴え、2019年にサポート要件違反を理由に第1次審決が取り消された。再審理の結果、2022年に特許庁は再び請求不成立の審決を下し、原告はこの決定の取消しを求めて訴訟を提起した。
争点
特許の明確性、実施可能性、進歩性、サポート要件の適合性が争点となっている。
原告の主張
原告は、特許明細書に粒子サイズD90が生物学的利用能に与える影響や粒度分布の記載がないと主張し、特定の製剤形態における生物学的利用能の向上が不明であると指摘。また、訂正事項が新規事項の追加に該当し、特許請求の範囲の減縮を目的とするものではないと主張している。
被告の主張
被告は、特許請求項における粒子サイズの範囲が生物学的利用能の改善を示すものであり、サポート要件違反を主張。特許明細書には、セレコキシブの結晶形態の問題点や、粉砕による粒子サイズの改善が記載されており、加湿剤の添加による生物学的利用能の向上も示されている。
当裁判所の判断
裁判所は、特許の訂正が適法であり、原告の無効理由は却下され、特許の明細書は当業者が実施可能な程度に明確であると判断。特に、粒子サイズのD90が生物学的利用能に与える影響についての記載が不十分であるとの原告の主張に対し、明細書の記載が粒子サイズの分布に関する前提を明確にしているとし、訂正事項が新たな技術的事項を導入するものではないと反論。
結論
特許の有効性が認められ、原告の請求は棄却される。