審決取消訴訟判決(特許) 令和4年(行ケ)第10091号

以下の要約は参考情報としてAIが作成したものです。 誤りを含む可能性がありますので、詳細は原文をご参照ください。

原文リンク

原文は裁判所ウェブサイトで公開されていないかもしれません。 訴訟番号「R4-10091」を使って J-Platpatで検索すれば原文があるかもしれません。


要約

発明の名称

5-アミノレブリン酸リン酸塩

発明の簡単な説明

本発明は、微生物・医療・植物分野で有用な低刺激性の5-アミノレブリン酸リン酸塩を製造する方法に関するもので、陽イオン交換樹脂を用いて5-アミノレブリン酸をリン酸類と混合することで新しいリン酸塩を製造し、刺激性を低減する効果がある。

主文

特許第4417865号に関する無効審判の結果を巡る訴訟において、原告の請求は理由がないとして棄却され、特許庁の審決に誤りはないと判断された。

経緯

原告は特許庁が令和4年7月15日に下した審決を取り消すよう求め、特許が引用文献に記載された発明と同一であると主張した。特許庁は、引用文献に記載された発明が本件発明とは異なると判断したため、原告はその判断に対して異議を唱えた。

争点

本件では、5-アミノレブリン酸リン酸塩の新規性と、引用文献における5-ALAホスフェートの記載及び製造方法の理解が争点となっている。特に、引用文献における5-ALAホスフェートの記載が本件発明の新規性に影響を与えるかどうかが焦点である。

原告の主張

原告は、引用文献に記載された5-ALAホスフェートが5-アミノレブリン酸リン酸塩と同義であり、特許の新規性が認められるべきだと主張している。また、引用文献には5-ALAホスフェートが記載されており、当業者は技術常識に基づいてその製造方法を理解できると訴えている。特許庁の判断には誤りがあるとし、特許の有効性を主張している。

被告の主張

被告は、引用文献に記載された5-ALAホスフェートを引用発明として認定できないと主張している。具体的には、化学物質発明が刊行物に記載されるためには、物質の構成や製造方法が明確に示されている必要があると述べ、引用文献には製造方法が記載されていないため、当業者が技術常識に基づいて製造方法を見出すことはできないと反論している。また、他の文献にも具体的な製造方法は記載されていないと指摘している。

当裁判所の判断

裁判所は、引用文献における5-ALAホスフェートの記載が本件発明の新規性に影響を与えるかを検討した。引用文献には5-アミノレブリン酸の誘導体として5-ALAホスフェートが記載されており、当業者は技術常識に基づいて製造方法を理解できると判断した。したがって、引用文献に基づいて5-ALAホスフェートを引用発明として認定することが妥当であると結論付けた。

結論

原告の請求は理由がないとして棄却され、特許庁の審決に誤りはないとされた。