審決取消訴訟判決(特許) 令和4年(行ケ)第10082号
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要約
発明の名称
プロトロンビン誘導ビタミンKアンタゴニストIIに特異的に結合する抗体
発明の簡単な説明
本発明は、肝細胞癌(HCC)や肝癌を検出するための新しいモノクローナル抗体に関するもので、特にPIVKA-IIに特異的に結合する能力を持つ抗体を提供する。
主文
本件特許に関する無効審判の結果について、原告の主張を退け、特許の有効性を認める。
経緯
原告は特許庁に対し、特許第5981914号の特定の請求項に関して無効を求めた。特許は平成23年に出願され、平成28年に設定登録された。原告は新規性や進歩性の欠如を主張し、特許庁は無効審判請求を却下したため、原告は訴えを提起した。
争点
特許の新規性、進歩性、明確性、サポート要件、実施可能要件、先願発明との同一性が争点となった。
原告の主張
原告は、特許の請求項が先行文献と同一であり、新規性や進歩性がないと主張した。また、特許の明確性やサポート要件、実施可能要件に違反しているとし、特に特定の結合特異性が示されていないため、請求項全体での課題解決が不可能であると訴えた。
被告の主張
被告は、訂正後の請求項が明確であり、サポート要件や実施可能要件を満たしていると主張した。特に、特定のアミノ酸に結合する抗体がPIVKA-IIを特異的に認識し、肝癌の検出に有効であることを強調した。
当裁判所の判断
裁判所は、訂正後の請求項が明確であり、サポート要件や実施可能要件を満たしていると認定した。また、特許の新規性や進歩性についても、訂正発明が先願発明と実質的に異なることを確認し、原告の主張を退けた。特に、特定の抗体がPIVKA-IIに特異的に結合することが当業者にとって容易ではないと判断した。
結論
原告の主張はすべて却下され、特許の有効性が認められた。