審決取消訴訟判決(特許) 令和4年(行ケ)第10048号
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要約
発明の名称
オピオイドκ受容体作動性化合物を有効成分とする止痒剤
発明の簡単な説明
本発明は、特定の化学構造を持つオピオイドκ受容体作動性化合物を有効成分とする止痒剤に関するもので、皮膚疾患や内臓疾患に伴うそう痒の治療に用いられる。
主文
特許権の存続期間延長登録に関する無効審判の取消訴訟において、原告の請求は棄却される。
経緯
被告は特許第3531170号に基づく止痒剤の存続期間延長を申請したが、原告はその無効を求め、特許庁は無効とする審決を下した。被告はこの審決の取消しを求めて訴訟を提起し、令和3年に一部が取り消される判決が下された。
争点
無効理由の判断や手続きの瑕疵の有無、特に前訴判決の拘束力の理解に誤りがあったかどうかが焦点となっている。
原告の主張
原告は、特許の無効理由として、特許請求の範囲が明確でないことや、前訴判決が本件医薬品の有効成分に関する判断を行っていないことを指摘し、特許権の存続期間延長登録が無効であると主張した。また、手続上の瑕疵があるとし、審決が新たな論点を考慮せずに結論を出したことを問題視した。
被告の主張
被告は、原告の主張に対し、前訴判決と本件審決が本件医薬品が本件発明の技術的範囲に属すると判断したことを根拠に、原告の理解に誤りがあると反論した。特に、前訴判決がナルフラフィンを有効成分とする止痒剤の技術的範囲についての判断を行っているとし、原告の主張は誤解に基づくものであるとした。
当裁判所の判断
当裁判所は、前訴判決の拘束力を考慮しつつ、本件発明がナルフラフィンを有効成分とする止痒剤であると判断した。原告の主張が特許請求の範囲や出願経過の検討がなかったとする点についても、審決がこれらを考慮しているため採用されなかった。また、手続上の瑕疵についても、原告には主張の機会が与えられていたため認められなかった。
結論
原告の請求は理由がないとして棄却され、特許権の存続期間延長登録の一部が無効とされたことは正当であるとされた。