審決取消訴訟判決(特許) 令和4年(行ケ)第10029号
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原文は裁判所ウェブサイトで公開されていないかもしれません。 訴訟番号「R4-10029」を使って J-Platpatで検索すれば原文があるかもしれません。
要約
発明の名称
防眩フィルム
発明の簡単な説明
本発明は、外光の映り込みを防ぐ防眩フィルムであり、内部ヘイズ値を抑えつつ良好な防眩性を実現することを目的とする。
主文
特許第6721794号に関する異議申し立ての決定を取り消す。
経緯
特許は平成29年に出願され、令和2年に設定登録されたが、令和3年に特許異議が申し立てられ、特許庁は進歩性や実施可能性に疑問を持ち、特許を取り消す決定を下した。原告はこの決定の取消しを求めて訴訟を提起した。
争点
特許の進歩性、実施可能性、サポート要件、明確性要件が争点となり、特に内部ヘイズ値とギラツキの関係や、発明の詳細な説明の適切性が問題視された。
原告の主張
原告は、内部ヘイズ値とギラツキの度合いが密接に関連しており、相違点の認定が誤っていると主張。特に、内部ヘイズ値を20%未満に設定することが当業者には容易ではないとし、引用発明との相違点についても技術的な動機付けがないため容易に想到できないと述べた。
被告の主張
被告は、特許の進歩性が認められないとし、引用発明に基づいて当業者が容易に発明できたと主張。特に、明細書には第1構造防眩層の具体的な製造例しか記載されておらず、実施可能要件を満たさないと反論した。
当裁判所の判断
裁判所は、特許請求の範囲がサポート要件や明確性要件を満たしていると認定し、原告の主張を一部認めた。特に、発明の詳細な説明が当業者にとって理解可能であり、過度の試行錯誤なしに実施できると判断した。進歩性についても、引用発明に基づいて容易に想到できるものではないとし、特許の有効性を支持した。
結論
特許の取消事由が認められ、特許第6721794号は有効であると結論付けられた。