審決取消訴訟判決(特許) 令和3年(行ケ)第10069号

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原文リンク

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要約

発明の名称

骨粗鬆症治療剤

発明の簡単な説明

特定の条件を満たす骨粗鬆症患者に対して、週1回の皮下注射で投与されるPT(1-34)を含む治療剤。

主文

本件特許に関する審決を取り消す。

経緯

被告は骨粗鬆症治療剤に関する特許を出願し、令和元年に特許が設定登録された。原告はその特許に対して無効審判を請求したが、特許庁は特許の無効を予告した後、被告が特許請求の範囲を訂正したため、無効審判は成り立たないと判断。原告はこの審決の取消しを求めて訴訟を提起した。

争点

本件特許の進歩性、サポート要件、実施可能要件、新規性についての判断。

原告の主張

原告は、特許の進歩性が欠如していると主張し、特に骨粗鬆症治療における条件設定が当業者にとって容易に想到できるものであると指摘した。また、特許の実施例において、条件を満たさない患者との比較が行われていないため、発明の効果が顕著であるとは認められないと主張した。

被告の主張

被告は、特許の進歩性が認められると反論し、特定の条件を満たす患者に対する治療効果が従来の技術常識に反することを強調した。また、実施例において高リスク患者に対する効果が示されており、当業者が容易に想到できるものではないと主張した。

当裁判所の判断

裁判所は、特許の進歩性について、特定の条件を満たす患者に対する治療効果が当業者にとって予測できないものであると認定した。また、実施例におけるデータが条件充足患者に対して優れた効果を示していることを確認し、特許のサポート要件と実施可能要件も満たされていると判断した。特に、骨粗鬆症治療における条件設定が当業者にとって自明ではないことが強調された。

結論

本件特許は進歩性が認められ、特許の有効性が支持される結果となった。