審決取消訴訟判決(特許) 令和3年(行ケ)第10053号
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原文は裁判所ウェブサイトで公開されていないかもしれません。 訴訟番号「R3-10053」を使って J-Platpatで検索すれば原文があるかもしれません。
要約
発明の名称
電子レンジ加熱食品用容器の製法
発明の簡単な説明
本発明は、電子レンジ加熱用の食品容器に関するもので、特に蓋体部に水蒸気を排出するための排気長孔を設け、異物混入を防ぐ新しい構造を提案している。
主文
原告の請求は棄却され、特許の取り消し決定は妥当であると認定された。
経緯
原告は特許庁の特許第6538225号の取り消し決定に不服を申し立て、訴訟を提起した。特許は電子レンジ加熱用食品容器に関するもので、特に排気孔の形成方法に関するものである。特許庁は、発明が優先日前に公開された文献に基づき、当業者が容易に想到できるものであると判断し、進歩性を否定した。
争点
本件の争点は、特許の進歩性があるかどうか、特に引用文献に基づく相違点の容易想到性についてである。
原告の主張
原告は、特許の進歩性が認められるべきであり、特に蓋体部の孔の形成方法や異物混入防止の構造が引用発明には存在しないため、技術思想が異なると主張した。また、引用文献が異物混入抑制の課題を解決していないため、本件発明は独自の技術的意義を持つとした。
被告の主張
被告は、引用発明にも異物混入抑制の課題が内在しており、当業者が容易に理解できる内容であると反論した。特に、引用文献に基づく周知の事項を挙げ、孔の大きさや形状についても当業者が普通に採用できる範囲であると述べた。
当裁判所の判断
裁判所は、引用文献の孔の形状や配置が当業者にとって容易に設計可能であると判断し、相違点に関して特許の新規性や進歩性が認められないと結論付けた。また、引用文献における異物混入防止のための部材がないことや、孔の大きさが周知であることを考慮し、相違点は実質的なものではないとした。原告の主張は認められなかった。
結論
特許の取り消し決定に誤りはなく、原告の請求は棄却されるべきであるとの結論に至った。