審決取消訴訟判決(特許) 令和3年(行ケ)第10040号
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要約
発明の名称
特定加熱食肉製品の製造方法
発明の簡単な説明
スライスされた特定加熱食肉製品(例:ローストビーフ)の保存中に褐変を防ぎ、優れた肉色を維持する技術。
主文
特許第5192595号に関する無効審判の結果に対する原告と被告の異議申し立てについて、原告の請求は棄却され、被告の請求が認められた。
経緯
原告は特許庁の審決に対し、請求項3、4、5の取り消しを求め、被告は請求項1、2の取り消しを求めた。特許は奥村哲雄が出願し、後に被告に譲渡された。原告は2019年に特許の無効審判を請求し、特許庁は2021年に請求項1、2を無効とし、請求項2、5の訂正を認める審決を下した。
争点
特許の無効理由、特定加熱食肉製品の製法が一般的であったか、相違点の容易想到性、特許の技術的意義。
原告の主張
原告は、本件発明が既存の技術に基づいて容易に発明できたものであり、特許法に違反すると主張。特に、主引用発明や周知技術に基づく無効理由を挙げ、相違点の容易想到性を指摘した。また、特定加熱食肉製品としてのローストビーフの保存条件に関する議論も展開した。
被告の主張
被告は、甲1発明のローストビーフが特定加熱食肉製品ではないと主張し、保存温度や期間、過去の食中毒事件を理由に挙げた。また、色の評価に関する技術的な観点も示し、甲1発明における窒素ガスや二酸化炭素ガスの使用が必須であるとの判断に誤りはないと反論した。
当裁判所の判断
裁判所は、特許の無効理由について検討し、特に相違点の容易想到性に関して、甲1発明に甲2および甲3の技術を適用することで当業者が容易に想到できると認定した。また、特定加熱食肉製品の技術的意義を認め、規格基準に基づく製造・保存基準を満たすことを確認した。最終的に、原告の主張は理由がないとされ、被告の請求が認められた。
結論
特許第5192595号に関する無効審判の結果に対する原告の請求は棄却され、被告の請求が認められた。