審決取消訴訟判決(特許) 令和3年(行ケ)第10018号

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原文リンク

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要約

発明の名称

オキサリプラチン溶液組成物

発明の簡単な説明

オキサリプラチンと緩衝剤を含む安定な溶液組成物及びその製造方法。

主文

原告の請求は理由がないとして棄却される。

経緯

原告は特許権の存続期間延長登録出願に対し、特許庁から拒絶査定を受けたため、不服審判請求を行った。特許庁は、緩衝剤の量が特許請求の範囲に含まれないと判断し、原告の主張を退けた。これに対し、原告は裁判所に対して取消訴訟を提起した。

争点

特許権の存続期間延長登録出願における緩衝剤の量の解釈及び医薬品の製造販売行為が特許発明の実施に該当するかどうか。

原告の主張

原告は、特許庁の審決において緩衝剤の量の認定に誤りがあると主張し、シュウ酸が緩衝剤として機能することを証明する技術常識が存在すると述べた。また、医薬品の製造販売行為が特許発明の実施に該当すると主張した。

被告の主張

被告は、緩衝剤の量の解釈に誤りがないとし、シュウ酸の量を緩衝剤に含めないことが適切であると主張した。さらに、製造された医薬品にはオキサリプラチンと水のみが含まれ、緩衝剤が存在しないため、特許の範囲を満たさないとした。

当裁判所の判断

裁判所は、原告の主張を退け、特許請求の範囲において「緩衝剤」は溶液に添加されるものであり、オキサリプラチンから遊離したシュウ酸を緩衝剤として扱うのは不自然であると判断した。また、特許明細書において「緩衝剤」は「緩衝作用を有する薬」と定義され、シュウ酸はその定義に含まれないとされた。医薬品には緩衝剤が存在しないため、特許発明の実施には当たらないと結論づけた。

結論

原告の請求は棄却され、特許の範囲についての解釈が明確にされた。


原審の種類、判示事項