審決取消訴訟判決(特許) 令和2年(行ケ)第10132号
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原文は裁判所ウェブサイトで公開されていないかもしれません。 訴訟番号「R2-10132」を使って J-Platpatで検索すれば原文があるかもしれません。
要約
発明の名称
骨粗鬆症治療剤
発明の簡単な説明
特定の条件を満たす骨粗鬆症患者に対して、週1回の投与を特徴とする治療剤。
主文
特許無効審判請求が不成立とされた審決の取消訴訟において、原告の主張を認めず、被告の特許を有効とする。
経緯
被告は骨粗鬆症治療剤に関する特許を出願し、登録を受けた。原告はこの特許に対して無効審判を請求したが、特許庁は特許の請求項を訂正し、無効審判請求を却下。原告はこの審決の取消しを求めて訴訟を提起した。
争点
特許の明確性、実施可能性、進歩性についての判断が争点となった。
原告の主張
原告は、特許の明確性要件や実施可能性、進歩性に関する判断に誤りがあると主張。特に、発明の生物学的活性を測定する方法が不純物や酵素の分解によって再現性や信頼性を欠くと指摘し、発明の「200単位」という定義が明確性に欠けると主張した。また、代替品の測定結果が異なる方法によって得られたものであり、ウシPTHとヒトPTHの間にはアミノ酸配列や生物学的活性の違いがあるため、技術常識に反するとした。
被告の主張
被告は、標準品の用量反応曲線が不純物の影響を受けても信頼性が保たれると反論し、甲4方法がヒトPTHに使用できないとの記載はないと主張。測定条件の違いが影響を与える可能性は認めつつも、その影響は標準品とサンプルに均等に及ぶため、効力比は変わらないとした。また、特定の条件を満たす患者における骨折相対リスク減少率が約61.4%とされ、顕著な骨折抑制効果が認められたと主張した。
当裁判所の判断
裁判所は、特許の明確性、実施可能性、進歩性についての原告の主張を退けた。明確性については、特許明細書に記載されたPTDの測定法が一般的な方法であり、当業者が特定の量を再現可能であると認定。実施可能性についても、200単位のPTD(1-34)酢酸塩が明確に理解でき、代替品を用いることで測定が可能であるとされた。進歩性については、本件発明と先行技術との相違点が指摘され、特定の骨粗鬆症患者に対する投与条件や治療目的が異なることが強調された。特に、相違点が当業者にとって容易に想到できるものでないと判断された。
結論
本件発明には進歩性が認められ、原告の主張は退けられ、被告の特許は有効とされる。