審決取消訴訟判決(特許) 令和2年(行ケ)第10124号
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要約
発明の名称
裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物の製造方法および積層体の製造方法
発明の簡単な説明
本発明は、バイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂を含む印刷塗膜の製造方法に関するもので、特定の溶剤と樹脂を用いて環境に配慮した高性能な印刷インキを提供することを目的としています。
主文
原告の請求は理由がないとして棄却される。
経緯
原告は特許第6458089号を取得したが、特許庁はその特許を取り消す決定を下し、原告はこれに対して異議を申し立て、訴訟を提起した。
争点
本件発明の進歩性が既存の文献に基づいて容易に発明できたかどうかが争点となり、特にポリウレタンウレア樹脂の製造方法やバイオマス由来成分の使用が問題視された。
原告の主張
原告は、特許庁の進歩性判断に誤りがあると主張し、特にバイオマス由来の原料を使用することが当業者にとって自明ではないとし、相違点が一体不可分であるため、併せて判断すべきだと述べた。また、甲1文献におけるポリウレタンウレア樹脂の特性が本件発明の新規性を損なうものではないと主張した。
被告の主張
被告は、原告の主張に対し、バイオマス由来の成分の使用が当業者にとって容易であり、特許の進歩性が欠如していると反論した。特に、甲1文献に記載された内容が本件発明と多くの点で一致しているため、特許性が否定されるべきであるとした。
当裁判所の判断
裁判所は、原告の主張を退け、特許庁の進歩性判断が正当であると認定した。特に、ポリウレタンウレア樹脂の製造方法が既存の文献に基づいて容易に想到できるものであり、バイオマス由来成分の使用が当業者にとって自明な課題であると判断した。また、相違点が技術的に重要でないことも指摘された。
結論
原告の請求は理由がないとして棄却され、特許の進歩性が認められないとの判断が下された。