審決取消訴訟判決(特許) 令和2年(行ケ)第10052号
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原文は裁判所ウェブサイトで公開されていないかもしれません。 訴訟番号「R2-10052」を使って J-Platpatで検索すれば原文があるかもしれません。
要約
発明の名称
二酸化炭素含有粘性組成物
発明の簡単な説明
炭酸塩とアルギン酸ナトリウムを含む粘性組成物を用いて、二酸化炭素を発生させる医薬組成物。
主文
特許第4912492号に関する特許無効審判の審決を取り消すことはできない。
経緯
原告は特許庁に対し、特許第4912492号の無効を求めたが、特許庁は令和2年4月2日に無効審判請求を棄却した。原告はその後破産手続を開始し、破産管財人が訴訟権を放棄した。原告はこの審決の取り消しを求めて訴訟を提起した。
争点
本件発明の進歩性の有無が争点であり、特に先行文献との対比における容易想到性の判断が焦点となった。
原告の主張
原告は、特許庁の審決が甲1発明との相違点を誤って認定し、進歩性を否定したことが不当であると主張。具体的には、甲1発明が示す入浴剤の使用方法と本件発明の粘性組成物の使用方法は異なり、当業者が容易に本件発明を想到できるとは考えられないとした。また、二酸化炭素の持続的発生に関する技術常識が存在し、これが本件発明の進歩性を支持するものであると主張した。
被告の主張
被告は、原告の特許権が存続期間満了により訴えの利益を欠くと主張し、原告が破産手続中であるため損害賠償請求が実行不可能であることを指摘した。また、甲1発明の内容から本件発明が容易に想到できるとし、特許庁の審決は妥当であると主張した。特に、入浴剤の使用方法が粘性組成物に置き換えられることは技術常識の範囲内であるとした。
当裁判所の判断
裁判所は、甲1発明と本件発明の相違点を認定し、特に粘性を付与することが当業者にとって容易ではないと判断した。炭酸ガスの保持手段が甲1発明に示唆されていないため、原告の主張する進歩性が認められた。また、原告の特許権が破産手続中であっても、損害賠償請求の可能性が残っているため、訴えの利益は消滅していないとした。
結論
特許庁の審決は妥当であり、原告の請求は棄却されるべきである。