審決取消訴訟判決(特許) 令和2年(行ケ)第10009号

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原文リンク

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要約

発明の名称

真空洗浄装置および真空洗浄方法

発明の簡単な説明

本発明は、真空ポンプ、蒸気生成手段、洗浄室、凝縮室、温度保持手段を備えた真空洗浄装置に関するもので、洗浄後にワークを乾燥させる工程を効率化することを目的としている。

主文

特許第5976858号に関する無効審判の結果を巡る訴訟において、原告の請求を棄却し、特許の有効性を認める。

経緯

原告は特許庁の審決を不服として訴訟を提起。特許は2016年に登録され、原告は無効審判を請求したが、特許庁はその請求を棄却した。原告は特許の無効理由として、先行技術との容易想到性や実施可能性の欠如を主張した。

争点

特許発明の進歩性、実施可能性、サポート要件、特許請求の範囲の解釈が争点となった。特に、特許発明が先行技術に基づいて容易に想到できるかどうかが重要な論点であった。

原告の主張

原告は、特許発明1~5が先行技術(甲10、甲19など)との組み合わせにより容易に想到できると主張し、特許法29条2項に基づき無効とすべきであると訴えた。また、特許出願が特許法44条1項に違反しているため、出願日は遡及せず、現実の出願日である平成27年2月6日となるとし、特許法29条1項3号に該当するため無効とすべきであると述べた。さらに、発明の詳細な説明が不十分であるため、特許法36条4項1号および36条6項1号に違反しているとも主張した。

被告の主張

被告は、特許発明の構成が先行技術に開示されていないため、容易に想到できないと反論。特に、特許発明1と甲19発明1の相違点を強調し、特許の進歩性を支持した。また、特許出願は分割要件を満たしており、実施可能性やサポート要件についても問題がないと主張した。

当裁判所の判断

裁判所は、特許発明1~5が先行技術に基づいて容易に想到できないと判断し、特許の進歩性を認めた。また、特許明細書に記載された内容が当業者にとって実施可能であるとし、実施可能性やサポート要件についても原告の主張を退けた。特許請求の範囲の解釈についても、特許明細書に基づく正当な解釈がなされていると認定した。

結論

特許第5976858号は無効ではなく、原告の請求は棄却される。