審決取消訴訟判決(特許) 令和1年(行ケ)第10160号
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要約
発明の名称
セルロース粉末に関する特許
発明の簡単な説明
医薬、食品、工業用途に適した圧縮成形用賦形剤としてのセルロース粉末を提供することを目的とし、特に成形性、流動性、崩壊性のバランスを改善する。
主文
原告の請求は棄却されるべきである。
経緯
旭化成ケミカルズは「セルロース粉末」に関する特許を出願し、特許権を取得。原告は特許無効審判を請求し、被告は特許請求の範囲を訂正。特許庁は訂正を認め、原告の無効審判請求は成り立たないとの審決を下した。原告はこの審決の取り消しを求めて訴訟を提起した。
争点
訂正発明1の新規性、進歩性、サポート要件、明確性要件についての判断が争点となった。
原告の主張
原告は、訂正発明1が「成形性、流動性、崩壊性のバランスを持つ」ことを示すために、特定の数値(硬度170N以上、崩壊時間130秒以下、安息角54°以下)を満たす必要があると主張した。また、差分要件についても、実施例から原料パルプとセルロース粉末の重合度がほぼ等しいことを示す記載があると主張した。
被告の主張
被告は、特定の数値が必須ではないと反論し、明細書にはそのような必須条件の明示がないため、原告の主張は認められないとした。また、差分要件の数値範囲が測定誤差の範囲内であることから、実質的な技術的意義がないと主張した。
当裁判所の判断
裁判所は、原告の主張が前提を欠いているとし、甲12の実施例1のセルロース粉末が本件明細書の比較例1に相当することを認めた。さらに、セルロース粉末の物性が甲12の範囲に含まれることを示し、差分要件を満たすと判断した。特に、明細書には具体例が示されておらず、当業者が課題を解決できるとは認識できないとされ、サポート要件に適合しないとの判断が下された。
結論
原告の主張は失当であり、訂正発明がサポート要件に適合するとの審決の判断は正当である。